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贈与税等

1-1 贈与税の非課税の特例制度について(概要)

 本年1月1日に相続税の基礎控除額が改正されたことにより、贈与を活用した相続税対策の重要度が高まってくると思われます。贈与税には、暦年贈与の基礎控除と呼ばれる110万円の非課税枠がありますので、この枠内で贈与を行っていくことが、有効な相続税対策の1つと言えます。さらに、贈与税の非課税の特例制度を活用すれば、配偶者、子、そして孫の世代にまで早期に相続財産を移転することが可能になり、相続対策についても非常に有効です。今回は、この贈与税の非課税の特例制度の創設趣旨、それぞれの制度の具体的な内容は次回以降3回にわたってご説明させて頂きますが、どのようなものがあるのかご紹介だけさせて頂きます。

 贈与税の非課税の特例制度には以下のようなものがあります。
① 贈与税の配偶者控除の特例
② 教育資金贈与の特例
③ 結婚・子育て資金贈与の特例
④ 住宅取得等資金贈与の特例

 贈与税の非課税の特例制度が創設された趣旨は、①については配偶者の老後の住まいの確保や、専業主婦の方への主婦労働の対価として、非課税で財産移転を行えるようにするためです。続いて、近年新たに創設された②や③の特例制度については、将来の結婚・出産・子育てにおいて金銭的不安を抱える世代に対して、早期に資産を移転し、そういった不安を解消し、少子化対策につなげていくという目的があります。最後の④については、国民全体の金融資産の所有者が、高齢者に集中しているという問題点を解消するため、若年層への贈与を促し、消費を喚起するという点にあります。(平成27年度税制改正により、制度延長が検討されております。)

 いずれの制度につきましても、特例を受けるためには、申告書の提出等が必要であるなど、注意すべき点もそれぞれありますので、次回以降のブログにて、それぞれの制度の内容をご理解頂き、ぜひ積極的にこの制度をご活用頂ければと思います。

1-2 贈与税の非課税の特例制度について(贈与税の配偶者控除の特例)

前回のブログでは、贈与税の特例制度の概要について簡単にご説明させて頂きました。
今回は、その中の1つである「贈与税の配偶者控除の特例」についてご説明させて頂きます。

 まず当該制度を受けるための適用要件がいくつかありますので、ご紹介させて頂きます。

①夫婦の婚姻期間が20年を過ぎた後に贈与が行われたこと。
②配偶者から贈与された財産が、自分が住むための国内の居住用不動産であること、又は居住用不動産を取得するための金銭であること。
③贈与を受けた年の翌年3月15日までに、贈与により取得した国内の居住用不動産又は、贈与を受けた金銭で取得した国内の居住用不動産に、贈与を受けた者が現実に住んでおり、その後も引き続き住む見込みであること。

 以上、①~③の要件を満たす必要があります。
 詳しくは、国税庁HP https://www.nta.go.jp/taxanswer/zoyo/4452.htmをご参照下さい。

 上記要件を満たすことで、配偶者へ特例制度の非課税枠(2,000万円)+基礎控除(110万円)の合計額2,110万円までの財産を一度に贈与することができます。ただし、相続時に配偶者が居住用不動産を取得した場合には、不動産取得税が課されませんが、贈与の場合は、不動産取得税が課税されますので注意が必要です。

 当制度を活用して資産総額を減らすことにより相続税が課税されなくなれば、一次相続の際、配偶者ではなく子に財産を移すことができます。そうすれば二次相続の際の相続財産を少なくすることが出来ますので、長期的な対策をすることが可能ではないかと思います。

1-3 贈与税の非課税の特例制度について(教育・結婚子育て資金の一括贈与の仕組み)

 今回のブログでは、巷で話題となっている教育・結婚資金の一括贈与に規定について、2部構成で、ご説明させて頂きたいと思います。

(1)教育資金の一括贈与の特例
 この制度は、平成25年4月1日より時限立法 として開始されましたが、経済活性化に効果的であるとして、平成27年度税制改正により平成31年3月31日まで適用期限が延長され、手続きの簡素化も図られています。経済活性化効果への裏付けとして、信託協会のHPによれば、教育資金贈与信託の受託状況が公開されており、開始から平成26年12月までに、なんと101,866件、6,973億円もの金額が教育資金として信託銀行に受託されています。(下図ご参照)

 上記表の伸びから見てもわかるように、この制度は、大人気であるということです。ではこの制度の何が魅力的なのでしょうか?簡単にこの制度をまとめると、ポイントは以下の3点になります。

①祖父母が、金融機関に子・孫名義の口座等を開設し、教育資金を一括で拠出した場合、子・孫ごとに1,500万円まで非課税となる。
②教育資金等の使途は、金融機関が領収書等でチェックし、書類を保管する。
③孫等が30歳に達する日に口座等は終了となり、残金に対して贈与税が課税される。

 確かに節税効果が高そうなイメージを受けます。しかし、ここで勘違いして頂きたくないのが、この制度を使うメリットは、お孫さんに教育資金を無税で渡せることではないということです。
 「え~?」という声が聞こえてきそうですが、そもそも、扶養義務者間(親子間等)で必要の都度支払われる教育資金に係る贈与税は、非課税 なのです。つまり、教育資金の一括贈与の制度は、使っても使わなくても、その都度贈与すれば、無税で同じ金額を贈与することが可能なのです。

 この制度の一番利用価値があるケースは、余命宣告されたような方がこの制度を利用し、お孫さんに1,500万円の贈与を行うと、相続財産の金額から控除することが出来ますので、財産が多い方は節税効果が大きくなります。
 まだまだお元気である場合は、一括で贈与せずにお孫さんに会う都度、贈与された方がお孫さんの喜ぶ顔をその都度見ることができるという考え方もできますし、事前に専門家にご相談されることをおすすめします。

(2)結婚・子育て資金の一括贈与の特例
 こちらも教育資金の一括贈与の特例と同様に、平成27年4月1日から平成31年3月31日までの時限立法として設けられています。まずは、この制度を大まかにご説明すると以下の3点にまとめられます。

①親・祖父母(贈与者)は、金融機関に子・孫(20歳以上50歳未満。受贈者)名義の口座等を開設し、結婚・子育て資金を一括拠出。この資金について、子・孫ごとに1,000万円(使途が結婚関係のものは、300万円)までを非課税とします。

②相続税回避を防止するため、贈与者死亡時の残高が相続財産に加算されます。

③受贈者が50歳に達する日に口座は終了。残額に対して、贈与税が課税される

 もうお分かりの方もおられるとは思いますが、教育資金の一括贈与との決定的な違いは、贈与者死亡の時に、その残高が相続財産に加算(上記(2).②)されるということです。
 仮に、20歳の孫に祖父母が拠出した場合、孫が50歳になるまでには30年間もの期間があり、その期間中に贈与者が死亡する可能性も高くなります。当該想定に基づくと、贈与者死亡時点の口座の残高は、贈与財産ではなく相続財産として加算されるのも頷ける気はします。

 結婚・子育て資金も、教育資金と同様にその都度、贈与するのであれば非課税ですので、死亡時の残高が相続財産に加算されるのであれば、あまりメリットがないようにも感じられます。しかし、通常、配偶者・父母・子以外の者が相続・遺贈により財産を取得した場合、その者の相続税額の2割が加算されますが、この場合は2割加算の対象とはならない点はメリットの1つ言うことができそうです。当制度は未だ運用が始まったばかりですので、使い勝手等は今後の動向に注目、といったところでしょうか。また、このブログでも検討していきたいと思っています。

 いずれも高齢者の貯蓄を子や孫の世代に移転し、景気促進を狙った制度ですが、メリット及びデメリットや、自身の今後の予定を加味して、ご利用ください。ご不明点等がある方は、弊所職員にお気軽にお尋ね頂ければと思います。

1-4 贈与税の非課税の特例制度について(住宅取得等資金の贈与の特例)

 今回のブログでは、住宅取得等資金の贈与の特例についてご説明させて頂きたいと思います。
 この制度は、自宅を購入する際に父母や祖父母などの直系尊属から住宅取得等資金の援助(贈与)を受けた場合に、一定の要件を満たせば上限の範囲内で非課税にしてもらえる制度です。
 (注)住宅取得等資金とは、受贈者が自己の居住の用に供する家屋を新築若しくは取得又は自己の居住の用に供している家屋の増改築等の対価に充てるための金銭を指します。

 下記で要件等をご紹介させて頂きます。
(1)特例を受けるための要件
①次のいずれかに該当する者であること。
イ.贈与を受けた時に日本国内に住所を有すること。
ロ.贈与を受けた時に日本国内に住所を有しないものの日本国籍を有し、かつ、受贈者又は贈与者がその贈与前5年以内に日本国内に住所を有したことがあること。
ハ.贈与を受けた時に、日本国内に住所も日本国籍も有しないが、贈与者が日本国内に住所を有している。

②贈与を受けた時に贈与者の直系卑属であること。
 なお、直系卑属とは子や孫などのことですが、子や孫などの配偶者は含まれません。

③贈与を受けた年の1月1日において20歳以上であること。
④贈与を受けた年の合計所得金額が2,000万円以下であること。
⑤居住用の家屋及びその増改築等の要件を満たすこと。

*⑤については、要件がいくつかありますので、下記HPをご参考にして頂ければと思います。

国税庁HP https://www.nta.go.jp/taxanswer/sozoku/4508.htm

(2)非課税限度額

(注)良質な住宅用家屋とは、省エネルギー対策等級4又は耐震等級2以上若しくは免震建築物に該当する住宅用家屋等を指します。

 非課税限度額については、上記表の通り契約時の消費税率によって、限度額が異なりますのでご注意下さい。

 平成27年1月より相続税の基礎控除額の引き下げにより、今までよりも相続税が課税される方が増加すると見込まれ ます。相続税の負担を少なくするためには、暦年贈与や今回ご紹介させて頂いた住宅取得等資金の贈与等の特例制度等の活用により、今後の相続対策を行ってい ただければと思います。

2-1 相続時精算課税制度(概要)

 相続のご相談を受ける際、「相続時精算課税制度を使ったらどうなりますか?」というご質問を受けることがあります。そこで今回から3回に分けて、相続時精算課税制度について、ご説明させて頂きます。今回は、制度導入の背景と制度の概要についてお話しさせて頂きます。

 人から人へ資産を移転した場合には、贈与税が課されます。贈与は、相続と比較して税額が大きくなってしまう傾向にあります。
(例)①贈与により、1,000万円取得した場合 ②相続により1,000万円取得した場合
   ①のケース:贈与税の基礎控除額(110万円)を超える部分が課税対象となります。

   ②のケース:相続税の基礎控除額(3,000万円+600万円×法定相続人)を超える部分が課税対象となります。

 上記例で示した通り、基本的に贈与では、110万円を超える資金等の移動に税金が課されるため、相続まで資産の移動が行われない状況になっていました。

 そこで、高齢者の保有する資産の有効活用を通じて、経済の活性を図ることを目的とし、平成15年度の税制改正で「相続時精算課税制度」が創設されました。
 この制度を活用し、高齢者が保有する資産をその子や孫などの若者に移転し、社会でお金を使ってもらうことで経済を活性化させようということが、導入の背景になります。

 次に、この制度の内容を簡単に説明しますと、この制度を選択した場合、贈与時に、特別な計算方法により、計算した 贈与税を支払い、相続があった時点でこの制度を選択した後に、贈与された財産と相続で取得した財産をまとめて相続税額を計算を行い、相続発生時までに支 払った贈与税額はその相続税額から控除することで精算して納税するというものになります。
(詳しい内容は次回ご説明します。)

 最後に、この制度を選択することによるメリット・デメリットについて、下記で簡単にご説明させて頂きます。
メリット
①一度に多額の贈与ができ、早期に多額の財産を移転することができる。
②収益物件を贈与することにより、贈与者の財産(家賃収入分)が増えないため、将来の相続対策になる。
③価値が上昇する可能性が高い財産であれば、値上がり分の相続税の節税になる。

デメリット
①受贈者の年齢制限等がある。
②相続時に小規模宅地等の特例が受けられない。
③不動産の贈与の場合、移転コストが高い。
また、一度この制度を選択すれば、その選択を取り消すことができず、この制度を選択後に暦年贈与による相続対策を実施することができません。制度の選択を検討される場合は慎重に考えて頂く必要があると思います。

 次回は「相続時精算課税制度」を選択した場合の贈与税・相続発生時の税額の計算方法ついて詳しくお話ししたいと思います。 

2-2 相続時精算課税(計算)

前回のブログでは、相続時精算課税制度の導入背景や制度の概要について、お話させて頂きました。今回は、その計算方法や適用手続についてお話しさせて頂きます。

 相続時精算課税とは(おさらい)
   名前の通り、相続が発生した時に精算(他の相続財産と合算)して課税するので、一定額(特別控除額)までは贈与税が課税されない特例制度です。

   ◆贈与財産の価格から控除する特別控除額 ⇒ 2,500万円
  ※前年までに、この制度において特別控除額を使用している場合には、2,500万円から既に利用した額を控除した残額が特別控除額の限度額となります。
  この制度は、一人の贈与者について控除額が2,500万円に達するまで非課税となりますが、特別控除額を超えた部分に対しては一律20%の税率で課税されます。
  (注)相続時精算課税に係る贈与税額を計算する際には、暦年課税の基礎控除額110万円を控除することは出来ません。

 ❖ 相続時精算課税による贈与税額の計算
   ケース1:贈与により2,500万円の財産を取得した場合
       2,500万円-2,500万円(特別控除額)=0円(特別控除後の課税価格)課税なし

   ケース2:贈与により3,000万円の財産を取得した場合
       3,000万円-2,500万円(特別控除額)=500万円(特別控除後の課税価格)
       500万円×20%(税率)=100万円(税額)

 ❖ 相続発生時の相続税額の計算
   被相続人(贈与者)の遺産総額に、相続時精算課税の適用を受けた贈与財産の合計額を加算した金額を基に計算した相続税額から、既に納付した、相続時精算課税に係る贈与税額相当額を控除して算出します。その際、相続税額から控除しきれない税額がある場合には、相続税の申告を行うことにより、還付を受けることができます。

それではどのような人がこの制度を活用でき、どんな手続きが必要なのでしょうか。
【適用要件】

贈与者贈与をした年の1月1日において60歳以上である者
受贈者贈与を受けた年の1月1日において20歳以上の贈与者の推定相続人及び孫

【適用手続】
 相続時精算課税制度の適用を受けようとする受贈者は、その選択に係る最初の贈与を受けた財産に係る贈与税の申告期限内に「相続時精算課税選択届出書」をその贈与税の申告書に添付して贈与税の納税地の所轄税務署長に提出する必要があります。

 上記届出を行う際には、受贈者が贈与者の推定相続人に該当することを証明する書類(戸籍謄本又は抄本及び戸籍の附表の写し)の提出が必要となります。

2-3 相続時精算課税(~具体例~)

 前回のブログでは、相続時精算課税の計算方法や適用手続についてお話しさせて頂きました。今回は、贈与された場合に、相続時精算課税を適用することが可能か、ケース別にご説明させて頂きます。

<ケース1>
父が平成28年中に、妻A'、子A、孫Bに対し、それぞれ現金の贈与を行った場合

(注)年齢は、平成28年1月1日におけるものとします。(以下、同じ。)

 ケース1の場合には、父からの贈与について相続時精算課税を選択できるのは、直系卑属(*1)である推定相続人(子A)又は孫(孫B)のみとなります。

 (*1)直系卑属とは、子・孫など自分より後の世代で、直通する系統の親族のことを指します。

<ケース2>
 父が平成28年中に、子A、妻A'、子B、妻B'、孫C、孫Dに対し、それぞれ現金の贈与を行い、かつ、母が平成28年中に、子Bに対して、現金の贈与を行った場合

 ケース2について、父から贈与を受けた場合には、直系卑属である、子A、子B、孫Cが相続時精算課税の対象となります。孫Dについては、直系卑属に該当しますが、贈与年の1月1日時点で20歳以上(19歳)でないため、対象となりません。また、母から贈与を受けた場合にも、要件さえ満たしていれば父とは別に、相続時精算課税制度(最大2,500万円)を適用することが可能です。しかし今回のケースでは、母の年齢が60歳(58歳)以上でないため、要件を満たさず、相続時精算課税の適用を受けることができません。

 (注)適用要件等については、前回のブログを参照下さい。

 相続時精算課税制度のメリットとしては、以前のブログでもご説明させて頂きましたが、一度に2,500万円まで贈与しても贈与税が課されず、多額の資産を贈与することが可能です。ただし、デメリットとして相続が発生した場合に、相続財産に含めることとなるため、相続税が課されることになります。この制度を活用される場合には、慎重に判断をする必要があります。

手続き関係

1-1 相続人の範囲(~概要~)

 家族の誰かが亡くなったとき、自宅や預金、株や生命保険など残された財産を家族が引き継ぐのが遺産相続です。

 これまでは、お金持ちしか相続税はかからないというイメージをお持ちの方も多かったと思いますが、平成27年1月1日に相続税の基礎控除額(注1)が縮小されたことにより、相続税の課税対象となる方が増えると想定されています。

 (注1)基礎控除額は下記の通りです。
     改正前:5,000万円+1,000万円×法定相続人
     改正後:3,000万円+600万円×法定相続人

 このような背景から、生前贈与や遺言書の作成等、生前に行う相続対策に注目が集まってきています。

 今回は、相続税の基礎知識である相続する人『相続人』についてお伝えしていきますので生前対策を検討中、若しくはこれから考えていきたいという方のご参考にして頂ければと思います。

 まず始めに、法定相続人と相続人の違いについてご存知でしょうか?  法定相続人とは民法上で決められている相続人で、被相続人の配偶者・子・親・兄弟姉妹を指します。一方相続人は、実際に相続財産を受け取った方を指します。

 法定相続人の中でも配偶者は常に相続人となり、他の法定相続人には優先順位があり、第一順位が子(注2)、第二順位が直系尊属(被相続人の父母、祖父母)、第三順位が兄弟姉妹となります。

(注2)子の範囲には昨今話題になった非嫡出子(認知が必要)が含まれます。

   また、法定相続人が亡くなっている場合には、法定相続人の子(被相続人からすれば、孫)が原則、法定相続人となります。法定相続人の子が法定相続人になる場合を代襲と言います。

(参考)相続人の範囲

1-2 相続人の範囲(~法定相続分~)

前回の概要の中で、法定相続人についてお話させて頂きました。今回は、財産を法定相続人が法定相続分で取得するケースについて、相続財産が6,000万円の場合の具体例を用いてご説明させて頂きます。

①相続人が「配偶者」のみの場合・・・全て配偶者 

配偶者:6,000万円×1/1=6,000万円

②相続人が「配偶者」と「子2人」の場合・・・配偶者は1/2
               子2人は1/2×1/2の1/4ずつ

配偶者:6,000万円×1/2=3,000万円
子(一人当たり):6,000万円×1/4=1,500万円

③相続人が配偶者と「父母(直系尊属)」の場合・・・配偶者2/3
               父母1/3×1/2の1/6ずつ

配偶者:6,000万円×2/3=4,000万円
父母(一人当たり):6,000万円×1/6=1,000万円

(注)・この場合、兄弟姉妹には相続権はありません。
     ・配偶者が死亡している場合父母は1/2ずつ相続となります。

④相続人が「配偶者」と「兄弟姉妹」の場合・・・配偶者3/4
                      兄弟姉妹1/4

配偶者:6,000万円×3/4=4,500万円
兄弟姉妹:6,000万円×1/4=1,500万円

(注)配偶者が死亡している場合は全て、兄弟姉妹が相続します。

1-3 相続人の範囲(~判定しにくい事例~)

 今回は相続人に、「含まれるのか・含まれないのか」についてご紹介させて頂きます。

  1. 再婚した配偶者の連れ子
    まず再婚した配偶者については戸籍上の配偶者にあたるため「法定相続人」となります。しかし、連れ子については、養子縁組しない限り「法定相続人」にはなりません。
  2. まだ生まれていない子
    相続開始の日にまだ生まれていない子は「法定相続人」になれないような気がしますが、実は民法第886条には以下のように書かれています。
    (1)胎児は、相続については、既に生まれたものとみなす。
    (2)前項の規定は、胎児が死体で生まれたときは、適用しない。
    そのため生きて生まれたときには、相続開始の日にさかのぼって「法定相続人」として取り扱われることになります。
  3. 養子
    養子と聞くと全員が「法定相続人」になると思われがちですが実は違います。
    養子には「普通養子」と「特別養子」がありますが、「普通養子」の場合は養親の相続において「法定相続人」に入れることができる人数に制限があります。養親に実子がいる場合は1人まで、いない場合は2人までとなります。
    「普通養子」とは、親子の血縁関係がない者同士が養子縁組の届け出を出すことによって法律上の親子関係があるようにすることをいいます。この場合、実親との親子関係もそのまま存続しますので養子は、実親、養親双方の法定相続人となります。
    「特別養子」とは、家庭環境等の理由で実親との親子関係を終了させ、養親と法律上の親子関係があるものとすることです。また特別養子縁組された養子は、実子として扱われるため上記のような人数制限はなく、養子全員が「法定相続人」として取り扱われます。
  4. 内縁の妻 (夫)
    内縁の・・・と聞くと「法定相続人」であるように思われますが婚姻の事実がないため「法定相続人」ではありません。ただし内縁の配偶者に相続人が全くいない場合等「特別縁故者」として相続を受けることが可能になる場合もあります。内縁の配偶者の相続人が存在しないことが確定した後3ヶ月以内に「特別縁故者の相続財産分与の請求」を家庭裁判所に請求、判断されることになります。

    今回を含め3回に渡り、相続人の範囲についてご説明させて頂きました。相続人の判定等を含め、複雑な点が多々ありますので、お気軽に当事務所にご質問頂ければと思います。

2-1 所有権の移転(~契約・登記~)

 今回は、相続税と少し離れたお話になりますが、所有権の移転の契約・登記について簡単にご説明させて頂きたいと思います。

 民法では、「物権の設定及び移転は、当事者の意思表示のみによって、その効力を生ずる」(民法第176条)とあります。所有権は物権のひとつであるため、所有権もまた、当事者の意思表示のみによって、移転することになります。問題は、何をもって「当事者の意思表示」とするかという点です。一般的には、「当事者間の意思表示」を示す方法として、契約書と登記が挙げられます。下記では、契約書と登記の違いについて記載しておりますのでご確認して頂ければと思います。

 まず契約書についてですが、契約書とは、契約(複数の当事者間において債権債務関係を発生させる旨の合意)の内容を明確にするために契約当事者が作成する書面です。

契約書がない場合、契約内容についての当事者の見解の相違があったときに、どちらの言い分が正しいのかを明らかにすることができません。 そこで、契約内容を明確にし、後日の紛争を予防するため、契約書が作成されます。

(契約書では、当事者に対抗することができます。)

 一方、登記とは、一定の事項を広く社会に公示するため公開された公簿に記載することをいいます。取引関係に入る第三者に対して権利関係の内容を明らかにし、不測の損害を被らせないようにして取引の安全を図る制度です。

(登記では、権利関係の内容を明らかにすることで第三者に対抗することができます。)

2-2 所有権の移転(~不動産登記~)

今回は、登記にスポットを当て、その中で不動産を相続により取得した場合についてご説明させて頂きます。

 まず、不動産を相続により取得した場合には、相続登記を行う必要があります。相続登記とは、亡くなった人が所有していた建物や土地等の不動産について、相続人で話し合い、名義を変更する手続きのことをいいます。

 相続登記は、被相続人が亡くなってから「○ヶ月」以内にしなければならないという期限がありません。(相続税の申告は、相続が起きてから10カ月以内)また、相続登記をしていない罰則もありませんので、緊急性はないと考えらます。ただし相続登記には、相続によって被相続人の権利を相続人が受け継いだことを保全するために行う必要があります。

 もし相続登記を先延ばししていますと、財産が誰の所有物かわからなくなる可能性があり、また遺産分割協議を行っていない場合には、他の相続人がその不動産等の権利を主張する可能性といったトラブルが考えられます。

 その他理由により、不動産の売却が出来なくなるといった問題が生じる可能性もありますので、相続登記は先延ばしせず、早い段階で行うことをお勧めします。

(参考)相続登記に必要な書類と費用は下記のとおりです。

<相続登記に必要な書類>

 登記申請書(所有権移転登記申請書)
   (相続登記申請書の雛形は法務省の相続登記申請書のページをご参照ください。)

 固定資産課税台帳謄本(固定資産評価明細書)

 不動産の全部事項証明書(法務局)

 相続人全員の印鑑証明書(海外居住者はサイン証明書と在留証明書)

 相続人全員の住民票

 相続人全員の戸籍謄本

 被相続人が生まれてから亡くなるまでの戸籍・除籍・改製原戸籍謄本など(被相続人の兄弟姉妹が相続人の場合は、
  被相続人の両親の戸籍も必要となります。)

 被相続人の住民票の除票

 遺産分割協議書

<相続登記に必要な費用>

 登録免許税 固定資産評価額の0.4%

 戸籍謄本 450円

 除籍謄本 750円

 印鑑登録証明書 住民票 固定資産税評価証明書 数千円

 登記事項証明書代 600円

2-3 所有権の移転(~相続登記の種類~)

今回は、相続登記の種類についてお話させて頂きます。
相続に関する登記には、次の三つのケースがあります。

 法定相続分による相続登記(共同相続登記)

 遺産分割協議による相続登記

 遺言書による相続登記

上記の相続登記がどのような場合に用いられるのか、ご説明させて頂きます。

 1つ目の「法定相続分による相続登記」とは、相続が発生した場合に遺言書がない場合や、遺産分割協議で相続財産が決定しなかった場合に用いられることがあります。この方法による登記は、相続人が相続財産を法定相続分で相続することができるため、不平等感はないのではないでしょうか。

 2つ目の「遺産分割協議による相続登記」とは、相続財産の分割協議により決定する方法を言います。この方法による登記は、相続人同士で遺産分割協議を行った上で、相続財産を決定しているため、後日トラブルが発生するリスクも少なくなると考えられます。

 3つ目の「遺言書による相続登記」とは、被相続人が生前に作成した遺言書により、相続財産の登記を行う方法をいいます。この方法による登記は、被相続人の想いを反映することができると言えます。

 今回は、簡単に相続登記の種類をご説明させて頂きましたが、相続する際にどの財産を取得するか相続人同士で問題になることが多々あります。今後の相続対策等の1つに当ブログを参考にして頂ければと思います。

3-1 遺言書(はじめに)

 平成27年1月1日以降、相続税の基礎控除額が減り、以前なら相続税がかからなかった方も課税される可能性が出て きました。そのため相続に係る準備の重要性がより一層増して、各種セミナー等の集客状況をみても相続についての関心の高さが伺えます。そこで今回以後3回 のブログにおいては、相続に係る準備として重要な遺言書を中心に述べさせて頂きたいと思います。

 なぜ遺言書が重要なのでしょうか?「うちは財産がないから関係ない」と思っている方も多いようですが、少ない財産 の取り合いになることはよく聞く話です。また、相続人どうし仲が良く遺産分割に支障がないとしても、亡くなった方が財産管理をされている場合には、相続人 が遺産を把握するだけでも時間がかかってしまい、なかなか遺産分割できない、ということもあり得ます。さらに、遺言書には被相続人の思いも記述できますの で、相続人が納得して遺産を受取り、その遺産をその後の人生に役立てることが出来ると考えています。

 遺言書には、公正証書遺言、自筆証書遺言、秘密証書遺言の3種類がありますが、秘密証書遺言が利用されることはあ まりないので、公正証書遺言と自筆証書遺言について、それぞれの長所と短所を2回に分けて説明したいと思います。さらに3回目では遺言書がある場合に相続 が起こった時の手続き方法について説明します。

 現実には、認知症などの理由で遺言書を書いてもらうのは難しい、という場合もあると思います。しかし、遺言書の重要性は理解しつつも相続人側からは言い出しにくい、などの理由でためらっている方は、今回のブログを参考にして遺言書の作成を検討して頂けたらと思います。

3-1 遺言書について(~公正証書遺言~)

 まず、公正証書遺言とはどういった遺言であるかについて簡単にご説明します。公正証書遺言とは、公証役場で公証人に作成してもらう遺言のことを言います。遺言者が2人以上の証人と一緒に公証役場へ行き、遺言者が証人と公証人の前で遺言の内容を口頭で述べその内容を公証人が筆記することで遺言書が作成されます。

 作成された公正証書遺言の原本は、公証人によって保管され、遺言者にはその正本が渡されます。万が一、正本を紛失しても公証役場にて再交付を受けることができます。

 遺言書を公正証書遺言とする場合の長所と短所については、以下の通りです。

【長所】
 遺言書を作成するのが法律の専門家である公証人であるため、その内容や様式の不備により遺言書が無効になることがない。

 遺言書の原本は公証役場で保管されるため、他者により遺言の内容を変造されるなどの心配がなく、また正本を紛失しても再交付してもらうことができる。

 家庭裁判所での検認手続きが不要であるため、相続が発生した際に直ぐに遺言書の内容を実行することができる。

【短所】
 公証人に対する手数料がかかるため、遺言書の作成費用が高くなることが考えられる。

日本公証人連合会HPより http://www.koshonin.gr.jp/hi.html

 2名以上の証人を準備する必要がある。

 証人に遺言の内容を知られてしまうことから、遺言書の内容等について秘密にすることができない。

 公正証書遺言には、長所・短所がありますが、相続が発生した際に相続人同士のトラブルに発展させないためにも、遺言書の作成を検討して頂ければと思います。

3-3 遺言書について(~自筆証書遺言~)

 今回は前回の公正証書遺言に続き、自筆証書遺言について述べさせて頂きます。
 まず、自筆証書遺言とはどういった遺言であるかについて簡単にご説明します。自筆証書遺言とは、遺言者が遺言書の全文、日付、氏名のすべてを手書きし、押印して作成する遺言のことです。いつでも遺言書を作成することができ、費用もかからないことから手軽に作成する事ができます。

 遺言書を自筆証書遺言とする場合の長所と短所については、以下の通りです。

【長所】
 遺言の存在・内容を秘密にすることができる。
 公正証書遺言とは異なり、自分自身で遺言書を作成するため、費用もかからず簡単に作成できる。
 いつでも作成することができる。(最後に作成したものが有効となります。)

【短所】
 遺言書の隠匿、偽装、紛失のおそれがある。
 遺言書の書き方に則って作成していなければ、無効になる。
 執行時に家庭裁判所の検認が必要になる。
 本当に本人が書いたものか、相続時に争いが起こる可能性がある。
 遺言書の存在を知らず、発見されない可能性がある。

 自筆証書遺言には、長所・短所がありますが、相続が発生した際に遺言者の意志を残された相続人に正しく伝えるためにも、前回ご紹介させて頂いた公正証書遺言若しくは、自筆証書遺言の作成を検討して頂ければと思います。

3-4 遺言書について(~遺言書がある場合の相続手続き~)

<手続きの流れ>
(1)遺言書の開封・検認
 ❖ 自筆証書遺言書の場合
   相続人が勝手に遺言書を開封することはできず、家庭裁判所の検認を受けなければなりません。
 ❖ 公正証書遺言書の場合
   家庭裁判所の検認の必要がありません。

(2)相続財産、債務の調査
 被相続人が記載している財産等と相違がないか確認します。
 申告後、新たな財産等が発見された場合には、追加で相続税の納税が発生する恐れがありますので、注意が必要です。

(3)遺言の執行
 遺言書に遺言執行者が指定されていたら、その指定された人が遺言内容に基づいて不動産の名義変更等を行います。指定されていない場合は、相続人全員が協力して遺言の執行を行うことになります。
 遺言執行者は必ず指定しなければいけないものではありませんが、必要があれば、家庭裁判所に申し立て遺言執行者を選任することが出来ます。

(4)相続税等の申告納付
 ❖ 相続税を申告する必要がある場合には、相続の開始を知った日の翌日から10ヶ月以内に申告と納付をする必要があります。
 ❖ 所得税の申告が必要な方は、相続を知った日の翌日から4ヶ月を経過した日の前日までに、申告と納付が必要になりますので注意が必要です。(消費税等についても同様です。)

<まとめ>
 生前に遺言書を作成していると、相続発生時にスムーズに遺産分割等を行うことが可能です。ただし相続人が相続した財産が、遺留分(相続発生時に最低限、財産を相続できる権利)に満たないときには、所定の手続きにより遺留分の請求を行うことができます。

 相続時に慌てないためにも、早めに遺言書の作成を行って頂ければと思います。 

4-1 相続税の納付方法(~原則~)

 今回から全3回に渡り、相続税の納付について、お話させて頂きます。

 相続人は、被相続人のすべての相続財産を基に計算した相続税総額を、各相続人が相続により取得した財産を基に按分し、各相続人が負担すべき相続税の計算を行います。
 相続税は原則、金銭で納付することとされていますが、金銭の納付が困難な場合で、一定の要件を満たしている場合は「延納」又は「物納」という方法も認められています。

 今回は、原則の①金銭の納付等②相続人の連帯納付責任について確認していきます。

①金銭の納付等

 ❖ 申告・納期限
   原則、被相続人が死亡したことを知った日の翌日から10ヶ月以内に申告及び納付(金銭で納付)を行うこととなっています。
   なお、修正申告については、修正申告書の提出の日、期限後申告の場合は、期限後申告書の提出の日が納期限となっています。

 ❖ 納付が遅れた場合
   相続人は納付が定められた期限より遅れた場合は、法定納付期限の翌日から納付日までの延滞税を本税と併せて納付する必要があります。

 ❖ 電子納税(e-Tax)
   納付に当たっては、自宅や事務所などからインターネットなどを利用して納付する電子納税が利用できます。
   電子納税を行う場合には、e-TAXの利用開始手続きと所轄の税務署に届出書を提出する必要があり、ダイレクト納付、ネットバンキングによる納付が可能になります。
    *電子納税を行う手続きが完了するまでに、概ね1ヶ月程度かかります。
   ダイレクト納付による納付をご検討の方は早めに監査担当者までお問い合わせください。

②相続人の連帯納付責任

 ❖ 連帯納付責任
   相続人の「全員」は連帯納付責任の義務を負います。
    (例) 例えば、相続人の1人(A氏とします)が納付されなかった方がいる場合、他の相続人(B氏とします)にA氏の相続税を納付するよう税務署が求めることができるものです。
   連帯納付責任は、相続税本税だけでなく延滞税も責任を負うことになりますので注意が必要になります。
   なお、A氏の代わりにB氏が相続税を納付された場合は、B氏はA氏に納付額を求償することができます。

4-2 相続税の納付方法(~延納~)

 前回は「金銭納付」と「相続人の連帯納付責任」についてお話させて頂きました。今回は「延納」についてお話させて頂きます。

 前回のブログでもお話させて頂きましたが、相続税は金銭で一時に納付することが原則となっています。ただし、金銭で一時に納付することが出来ない場合には、相続税を分割して納付することができ、その方法を「延納」と言います。

 「延納」にはいくつかの要件があり、そのすべての要件を満たすことにより適用を受けることが可能となっています。要件は以下の通りです。

《延納の要件》
 ❖ 相続税が10万円を超えること。
 ❖ 金銭で納付することを困難とする事由があり、かつ、その納付を困難とする金額の範囲内であること。
 ❖ 延納税額及び利子税の額に相当する担保を提供すること。
   ただし、延納税額が100万円以下で、かつ、延納期間が3年以下である場合には担保を提供する必要はありません。
 ❖ 延納申請に係る相続税の納期限又は納付すべき日(延納申請期限)までに、延納申請書に担保提供関係書類を添付して税務署長に提出すること。

 要件は以上となりますが、「延納」をすることが出来る期間は相続財産に占める不動産等の割合に応じて、原則5年から20年間となり、その期間年1.2%~6.0%の利子税がかかることになりますので注意が必要です。
(国税庁HP)https://www.nta.go.jp/taxanswer/sozoku/4211.htm

 上記でも簡単に触れさせて頂きましたが、相続税は金銭での納付が原則となっています。しかし、収益物件を保有、かつ、借入金の返済がある方は、一般的に資金繰りが厳しくなる傾向にあります。
 そのため、相続発生時に納税資金に困らないよう、計画的な対策をして頂ければと思います。

4-3 相続税の納付方法(~物納~)

 前2回で相続税の納付方法として、「金銭納付」と「延納」についてお話させていただきました。今回は、相続税の納付方法の最終回としまして、「物納」について、(1)~(3)に分けて、お話させて頂きます。

 物納とは、相続財産の大半が不動産などの場合で、延納したとしても相続税を納めることが困難な場合に利用できる制度で、金銭に代えて物(国債や不動産等)で納付することができます。この制度は、相続税のみ認められており、法人税や消費税にはこのような制度はありません。

(1)物納を受けるための要件
 ❖ 延納によっても金銭で納付することが困難であり、その納付を困難とする金額を限度としている。
 ❖ 物納可能な財産であること。
 ❖ 物納しようとする相続税の納期限又は納付すべき日までに、物納申請書に物納手続関係書類を添付して税務署長に提出すること。
   (国税庁HP)https://www.nta.go.jp/taxanswer/sozoku/4214.htm

(2)物納可能な財産
 物納することが出来る財産は、相続等により取得した財産が対象で日本国内に存在する財産が要件です。
 物納可能な財産の種類は、下記の①~③に限定されており、また物納可能な財産の優先順位が定められています。例えば、①~③の財産を複数種類相続している場合①から順に納税に充てることとなります。

①国債、地方債、不動産、船舶
②社債、株式、証券投資信託等
③動産

(注)上記の財産に該当した場合でも、抵当権が付いている財産、係争中の財産、売却できる見込みがない財産などについては物納ができませんので、注意が必要です。

(3)物納財産の価額(収納価額)
 物納財産の価額は、原則として相続税の課税価格の計算の基礎となった価額(評価額)により、評価されます。例えば、相続税額の計算の際に1億円で評価された土地であれば、物納財産の価額も1億円となります。
 ただし、小規模宅地等の特例制度を利用した財産を物納する場合には、特例制度により評価した額(本来の評価額の20~50%評価)により、評価することになりますのでご注意下さい。

また、一度物納による納付を選択した場合でも、一定の条件により、延納に変更や金銭による一時納付が可能です。財産の額によっては、相続税の納付が多額になるケースもありますので、早い段階から納税資金のご準備をして頂ければと思います。

相続財産等

1-1 相続財産の範囲 (~相続財産に含まれるもの~)

 今回から、全4回で相続財産の範囲についてお話しさせて頂きます。

 第1回目の今回は、相続財産についてご紹介させて頂きます。
 亡くなった人(被相続人)に帰属していた一切の権利や義務は、基本的に、死亡と同時に相続人に引き継がれます。この相続によって相続人に引き継がれる権利や義務のことを「相続財産」と言います。(一般的には、「遺産」と呼ばれます。)

 「財産」や「遺産」と聞くと物や形のあるものを想像してしまいがちですが、相続では形のあるものだけとは限りません。つまり、被相続人が有していた特定の地位や権利についても相続財産に含まれます。また、権利だけではなく義務も引き継がれるためプラスの財産(資産)だけではなく、マイナスの財産(負債)も含まれることとなります。

 では次に、相続財産の「本来の相続財産」と「みなし相続財産」について、ご説明させて頂きます。

 「本来の相続財産」とはお金に換算できるすべての財産のことをいいます。主なものについては以下の表をご覧き、その価格については財産評価を行うことで決定します。

(プラスの財産の具体例)

財産の種類細目
現金・預金現金、普通預金、当座預金、定期預金など
土地宅地、田畑、山林など
土地上の権利借地権、定期借地権、地上権など
家屋自宅、店舗、構築物など
事業用財産商品、売掛金、機械など
家庭用財産家具、備品、骨董品、宝石など
有価証券公社債、株式、証券投資信託など

(参考:国税庁HP https://www.nta.go.jp/taxanswer/sozoku/4105.htm

 一般的に、財産(負債)は相続発生時の時価により、評価します。ただし、以前当ブログでもご紹介しました、土地等は一定の算式に基づいて評価します。

 また、上記でご紹介させて頂いた「プラスの財産」以外にも、相続財産には、「みなし相続財産」も含まれます。

 「みなし相続財産」とは実質的には相続財産と同じ価値がある財産のことを指します。言い換えれば、「本来の相続財産」ではないが、被相続人の死亡を原因として取得する財産で、実質的な経済的価値が相続財産と変わらないため相続税の課税対象になります。

(みなし相続財産の具体例)

財産の種類特徴
死亡保険金被相続人が保険料を負担していた生命保険金や損害保険金
死亡退職金被相続人の死後3年以内に支給することが確定した被相続人に対する退職金
生命保険に関する権利被相続人が保険料負担者で、被相続人以外の者が被保険者である場合に、その生命保険に関する権利のこと

1-2 相続財産の範囲 (~相続財産に含まれないもの~)

前回のブログでは、税法上、相続財産に含まれるものについてお話しさせて頂きました。今回は、相続財産に含まれないものについてお話しさせて頂きます。
 相続税の申告において相続財産に含まれないもの(相続税の課税対象になるもの)があります。これらは、社会政策面や国民感情から配慮されたものになります。
 ここでは、相続税の申告において相続財産に含まれない一般的なものを中心にご紹介させて頂きます。

  1. 墓地や墓石、仏壇、仏具、神を祭る道具など日常礼拝をしている物
    相続税対策などで生前に墓地等を購入される方がいらっしゃるのはこのためだと考えられます。ただし、骨とう的価値があるなどや投資の対象となるもの、商品として所有しているものは除きますのでご注意ください。

  2. 死亡保険金の一部
    相続によって取得したとみなされる生命保険金のうち500万円に法定相続人の数を掛けた金額までの部分が非課税となります。相続税対策でも定番であるため、ご存じの方もいらっしゃるかと思います。一時払い終身保険などで非課税限度額までの生命保険に加入すれば節税になります。

  3. 死亡退職金の一部
    相続や遺贈によってもらったとみなされる退職手当金等のうち500万円に法定相続人の数を掛けた金額までの部分が非課税となります。

  4. 国などに寄付をした相続財産
    相続や遺贈によって取得した財産で相続税の申告期限までに国又は地方公共団体や公益を目的とする事業を行う特定の法人に寄附したもの、あるいは、相続や遺贈によってもらった金銭で、相続税の申告期限までに特定の公益信託の信託財産とするために支出したものは、おおさk非課税となります。

  5. 香典
    お葬式の際に受け取った香典も相続財産には含まれません。

また負の財産は、相続税の申告の際、債務控除として相続財産の合計額から控除できます。
これについては次回お話しさせて頂きます。

1-3 相続財産の範囲(~債務控除~)

 前2回のブログでは、税法上、相続財産に含まれないもの・含まれないものについてお話しさせて頂きました。
 今回は相続税額の計算上、課税される財産から控除することができる、負の財産(以下、債務)についてお話しさせて頂きます。
 では早速、遺産から控除できるものと、控除できないものについて例を挙げさせて頂きます。

控除できるもの
 ❖ 銀行借入、未払いの利息

 ❖ 未払いとなっている事業上の仕入、経費の代金

 ❖ 相続開始後に支払った公共料金、医療費

 ❖ 賃貸不動産等の預り敷金、保証金

 ❖ 未払の税金(その年の所得税や固定資産税)

 ❖ 葬式費用
   (葬式費用は国税庁HP https://www.nta.go.jp/taxanswer/sozoku/4129.htm
  死亡したときに確実と認められる債務については、これらの他にも控除できるももあります。

控除できないもの
 ❖ 遺産分割協議費用

 ❖ 相続財産を維持、管理するための費用

 ❖ 延滞税、加算税

 ❖ 時効となっている債務

 ❖ 香典返し、初七日などの法要費用

(注)墓石や墓地の購入費用の債務は、墓石等が相続財産に含まれないため、購入費用の債務についても控除することができませんので注意が必要です。

また、相続始後において発生した支払原因による支出や法律で定められているものは差し引くことができないこともポイントです。

 遺族が財産、債務を把握するには、一般的に時間がかかりますので、生前にどのような財産や債務があるのか周知しておくことが大切となってきます。

 また、相続開始後のトラブルとならないために、遺言書の作成やエンディングノートの作成をご検討してみてはいかがでしょうか。

 次回は簡単な例に沿って税額計算の流れを確認していきます。

1-4 相続財産の範囲(~実例~)

 前3回では、相続財産の範囲についてお話しさせて頂きました。今回は、それらを踏まえ、実例をご紹介させて頂きたいと思います。

(前提条件) *特例制度は考慮しておりません。

(1)被相続人:A(平成27年中に死亡)
(2)相続人:配偶者B、子C、子D、子E

相続関係図

(3)財産
現金:5,000万円 有価証券:4,000万円 居住用土地家屋:3,000万円
死亡退職金:2,000万円 墓地:300万円

(4)債務
銀行借入金:2,000万円 墓地購入未払代金:150万円 死亡後分割協議費用:100万円
葬式費用:400万円

*分割協議により、取得等した財産等は、下記の通りとします。 

上記、財産等でポイントとなりますのが、墓地関係・遺産分割協議費用です。
 まず、墓地についてですが、以前のブログでもご紹介させて頂いた通り、原則、課税財産に含まれません。これに伴い、墓地未払代金についても、債務控除の対象となりません。
 次に、分割協議費用についてですが、被相続人の死亡後に係った費用になるため、債務控除の対象となりませんので注意が必要です。

(5) 課税価格

 ここでのポイントは、子Eが取得した死亡退職金です。こちらも以前のブログでご紹介させて頂きましたもので「500万円×法定相続人」の額までは課税されません。
 今回のケースですと、「500万円×4人=2,000万円」となるため、子Eの相続税上の財産は0万円となります。そのため、葬式費用を負担したとしても、控除する財産がないため、子Eの課税価格は0万円となります。

 以上、算出した課税価格の合計額を基に相続税額を計算していくことになります。
 平成27年1月1日以降の相続については、基礎控除される金額が減額されておりますので、相続財産に含まれない財産等を上手く利用して頂き、相続税対策をして頂ければと思います。

 次回から全4回で相続税の税額控除についてお話させて頂く予定です。

2-1 相続財産の評価(~概要~)

 相続税額の計算にあたっては、まず相続財産の価額について評価しなければなりません。
 相続財産の評価について、相続税法第22条では「相続、遺贈または贈与により取得した財産の価額は取得時における時価による」と定義づけられています。相続財産の評価は時価によるものとされているということを意味するのですが、土地や株式のように特別かつ複雑な評価方法が定められているものもあり、その他の相続財産についても個別で評価方法が定められているものもあります。
 この個別に定められた評価方法が「財産評価基本通達」と呼ばれるものです。この「財産評価基本通達」に基づいて評価すると、土地や建物、その他の財産についても財産評価額は実際の取引価格よりもかなり割安の評価額となるものもあります。

 それでは様々な相続財産の評価方法についていくつかを下記に例を挙げさせていただきます。上記にも記載しました土地などの特別な評価方法が用いられる財産の評価については、記載すべき事項が膨大であるため、その他の一般的な財産の評価方法のうちいくつかを記載させて頂きます。

 ❖ 預貯金:相続発生時の預入残高+同時期現在における既経過利子(税引後)
    ※定期預金以外の預金について既経過利子の額が少額な場合は、相続発生時の預入残高

 ❖ 一般動産:評価時点における、売買実例価額、専門家による精通者意見価格等により評価(上記金額が不明な場合は購入価格より償却費相当額を控除した金額)

 ❖ 宝石・貴金属・書画・骨董品:売買実例価格、専門家による精通者意見価格等により評価

 上記については基本的にそれぞれの評価額が一般的に時価と同等に評価されていることがお分かりになられるかと思います。

 その他の財産の評価については、保険、不動産、有価証券等を次回以降3回にわたってご紹介させて頂きます。

2-2 相続財産の評価(~保険~)

 今回のブログでは、相続時に受け取る生命保険金の評価方法をご説明させて頂きたいと思います。
 生命保険金が相続税の課税対象となる条件は、被相続人の死亡によって取得した生命保険金や損害保険金で、その保険料の全部又は一部を被相続人が負担していたものが対象となります。保険料の負担者によっては、所得税や贈与税の課税対象となる場合がありますのでご注意下さい。課税関係は、下記図をご参考にして頂ければと思います。

保険料の負担者被保険者保険金受取人課税される税
BAB所得税
AAB相続税
BAC贈与税

(注)被保険者Aが死亡したものとします。

(参考)国税庁HPより https://www.nta.go.jp/taxanswer/shotoku/1750.htm

 次に課税対象となる保険金額ですが、法定相続人がいる場合には、非課税限度額を超える部分が課税対象となります。非課税限度額の算式は以下の通りです。

 非課税限度額=500万円×法定相続人の数
(例)保険金額が1億円で法定相続人が4名いる場合
  1億円-500万円×4名=8,000万円が相続税の課税対象額となります。

 非課税限度額の法定相続人の数には、相続放棄をした方も含めます。また、養子も、法定相続人の数に含めることができますが、実子がいるときは1人、実子がいないときは2人が限度となりますので、ご注意下さい。

 相続対策として、保険の活用は非常に有効な手段の一つです。上記でもご説明させて頂きましたが、実際に受け取る保険金額から非課税限度額(500万円×法定相続人の数)を超える部分が相続税の課税対象となりますので、相続財産が上記保険金額と同じ1億円を現金のみで持っている場合と比べ、財産を少なく評価されることとなります。相続対策の準備がお済でない方は、保険による相続対策も検討してみてはいかがでしょうか。

2-3 相続財産の評価(~土地評価のポイントと手順~)

 今回のブログでは、土地評価のポイントと手順について簡単にご説明させて頂きたいと思います。

 相続税を計算するうえでの財産の評価は、財産評価基本通達というルールブックのようなものに従って計算します。そしてこの財産基本通達に基づき、路線価が定められている地域の土地の評価方法は、路線価方式によることとされています。(固定資産税算出の基礎となっている固定資産税評価額とは異なるので注意が必要です。)

 路線価方式の基本的な算式は次のようになります。

1㎡あたりの路線価×地積

 なんだ、簡単じゃないか!という声が聞こえてきそうですが、土地の形状は様々で、間口が短く、奥行きが長い土地もあれば、逆に、間口が長く、奥行きが短い土地もあります。また、1つの道路に接している土地もあれば、2つの道路に接している土地もあります。
このように土地の形は様々なため、土地の形状に応じた調整を行って1㎡あたりの路線価を計算していきます。

 では次に、土地評価を行う手順を簡単にご説明致します。

1.土地に関する資料収集
 状況に応じて、下記表以外の資料収集が必要となることもありますが、主な土地に関する資料は以下の通りです。

種類目的
固定資産税等課税明細書(固定資産税評価証明書)所有不動産の把握
固定資産税名寄帳課税明細書では把握できない不動産の把握
登記簿謄本所有者、所有権、地上権などの設定の有無
住宅地図、ブルーマップ土地の位置の把握
公図形状の確認
建物図面土地に対して建物がどのように建っているか
地積測量図、現況測量図形状の確認
建築契約概要書形状の確認
賃貸借契約書貸地、貸家建付地としての評価のため

2.土地の現地調査
 道路との接道状況や、道路の幅員によって、評価額が大幅に変わることがありますので、現地調査を行い、カメラ等で記録します。

3.役所調査
 役所調査により評価対象の土地がどのような種別の道路に接しているかの確認を行います。道路が公道もしくは私道なのか、2項道路(みなし道路)に該当しないか等々の確認を行います。

 以上、簡単ではありますが、土地評価のポイントと手順をご説明させて頂きました。土地評価の手順については、土地によって、順番を変えた方がより早く正確な評価を行える場合もありますので、個々のケースに応じた対応が必要です。

 ご自身の土地評価が気になる!といったお客様は是非、お気軽に当事務所へご連絡下さい。

2-4 相続財産の評価(~有価証券等~)

 相続財産の評価方法について、今回は上場株式とゴルフ会員権の評価方法についてご説明させて頂きます。

  1. 上場株式(注1)の評価方法について
    上場株式の評価方法は、基本的に相続・贈与時の時価(株価)で評価されます。
    ただし、相続・贈与時の時価(株価)が著しく上昇した場合には、相続財産の増加による相続税の負担が大きくなる可能性を考慮するため、以下の方法による評価も認められています。
    (注1)上場株式とは、証券市場で売買が行われている株式を指します。

    ①課税時期の月(相続人が死亡した日が含まれた月)の毎日の取引の最終価格の平均額
    ②課税時期の月の前月の毎日の取引の最終価格の平均額
    ③課税時期の月の前々月の毎日の取引の最終価格の平均額

    (例)例えば、上場株式の時価が1株1,000円の場合
    上記①の額:1株900円
    上記②の額:1株800円
    上記③の額:1株700円
    このようなケースでは、1株700円により、上場株式を評価することになります。

  2. ゴルフ会員権の評価方法について
    ゴルフ会員権は、取引相場のある会員権と取引相場のない会員権によって評価方法が異なります。下記表をご覧頂ければと思います。
    以上が上場株式とゴルフ会員権の評価方法です。

    今回は、上場株式とゴルフ会員権についてご説明させて頂きましたが、非上場株式は、異なった評価方法になりますので、注意が必要です。

評価区分 評価方法
取引相場のある会員権 (1)下記(2)以外の会員権 課税時期における通常の取引価格×70%
(2)取引価格に含まれない預託金等がある会員権 イ.課税時期に直ちに変換を受ける預託金等がある場合
課税時期における通常の取引価格×70%+返還を受ける預託金等
ロ.課税時期から一定期間経過後に返還を受ける預託金がある場合
課税時期における通常の取引価格×70%+返還を受ける預託金等について基準年利率による
取引相場のない会員権 (1)株式制度を採用する会員権 課税時期において株式として評価した金額
(2)株式制度と預託金制度を採用する会員権 課税時期において株式として評価した金額+返還を受ける預託金等につき、返還時期に応じて計算した金額
(3)預託金制度を採用する会員権 返還を受ける預託金等につき、返還時期に応じて計算した金額

 以上が上場株式とゴルフ会員権の評価方法です。
 今回は、上場株式とゴルフ会員権についてご説明させて頂きましたが、非上場株式は、異なった評価方法になりますので、注意が必要です。

 平成27年1月1日以後の相続については、基礎控除額が大幅に減額されていますので、相続が発生する前に一度、相続税の試算等をオススメします。

3-1 小規模宅地の特例って何?(事例編~事業用地の場合~)

 過去2回のブログに引き続き、小規模宅地等の特例についてご紹介させて頂きます。

 以前のブログでは、小規模宅地等の特例の1つである、居住用宅地等についてご説明させて頂きましたが、この特例は、居住用宅地等だけではなく、事業用宅地等についても適用することができます。ただし、居住用宅地等と、面積要件や評価減できる金額が異なりますので注意が必要です。
 今回は、事業用宅地等の中の「特定事業用宅地等」に該当する場合のケースついてご説明させて頂きます。

 上記の特定事業用宅等の適用を受けるための要件は、以下の通りです。

区分 特例の適用案件
被相続人の事業の用に供されてた宅地等 事業承継案件 その宅地等の上で営まれていた被相続人の事業を相続税の申告期限までに引き継ぎ、かつ、その申告期限までその事業を営んでいること。
保有継続案件 その宅地等を相続税の申告期限まで有していること。
取引相場のある会員権 事業承継案件 相続開始の直前から相続税の申告期限まで、その宅地等の上で事業を営んでいること。
保有継続案件 その宅地等を相続税の申告期限まで有していること。

 国税庁HPより http://www.nta.go.jp/taxanswer/sozoku/4124.htm

《事例》
 ❖ 被相続人が経営していた会社の資材置き場となっており、子供が事業を継ぐこととなっている土地
 ❖ 幅 20m
 ❖ 奥行 20m
 ❖ 路線価 40万円
 ❖ 普通住宅地区(奥行価格補正率 1.00)

※単位:千円
路線価は国税庁HPをご参照下さい。http://www.rosenka.nta.go.jp/
上記Cについて:借地権割合を表します。記号はA~Gまであり、記号により借地権割合が異なります。

上記事例のように、この小規模宅地の特例を適用することによって、1億2,800万円が評価額から減額されることになります。ただし、この特例を受けるためには、期限内申告が必要ですのでご注意下さい。また上記以外で、貸付をしている宅地等も一定の要件のもと、当制度を適用することができます。

3-2 小規模宅地等の特例ってなに?(事例編~特定居住用宅地の場合~)

 前回は小規模宅地等の特例の概要と適用要件についてお話させていただきましたので、今回は小規模宅地等の特例の1つである特定居住用宅地の計算方法について、事例を交えてご紹介させて頂きます。

 まず特定居住用宅地とは、①被相続人が居住の用に供されていた宅地等、または②被相続人と生計を一にする被相続人の親族の居住の用に供されていた宅地等のことを言います。相続により取得する土地が①か②によって取得者の要件が変わってくるため注意が必要です。(詳しくは前回の記事をご参照下さい。)

《事例》

前提条件

 ❖ 幅 20m
 ❖ 奥行き 20m
 ❖ 路線価 40万円
 ❖ 普通住宅地区(奥行価格補正率 1.00)

※単位:千円

路線価は国税庁HPをご参照下さい。http://www.rosenka.nta.go.jp/  上記Cについて:借地権割合を表します。記号はA~Gまであり、記号により借地権割合が異なります。

上記事例のように、この小規模宅地の特例を適用することによって、1億560万円が評価額から減額されることになります。ただし、この特例の適用を受けるためには期限内申告が必要となっていますのでご注意下さい。

3-3 小規模宅地の特例って何?(事例編~事業用地の場合~)

 過去2回のブログに引き続き、小規模宅地等の特例についてご紹介させて頂きます。

 以前のブログでは、小規模宅地等の特例の1つである、居住用宅地等についてご説明させて頂きましたが、この特例は、居住用宅地等だけではなく、事業用宅地等についても適用することができます。ただし、居住用宅地等と、面積要件や評価減できる金額が異なりますので注意が必要です。
 今回は、事業用宅地等の中の「特定事業用宅地等」に該当する場合のケースついてご説明させて頂きます。

 上記の特定事業用宅等の適用を受けるための要件は、以下の通りです。

区分 特例の適用案件
被相続人の事業の用に供されてた宅地等 事業承継案件 その宅地等の上で営まれていた被相続人の事業を相続税の申告期限までに引き継ぎ、かつ、その申告期限までその事業を営んでいること。
保有継続案件 その宅地等を相続税の申告期限まで有していること。
取引相場のある会員権 事業承継案件 相続開始の直前から相続税の申告期限まで、その宅地等の上で事業を営んでいること。
保有継続案件 その宅地等を相続税の申告期限まで有していること。

国税庁HPより http://www.nta.go.jp/taxanswer/sozoku/4124.htm

《事例》

 ❖ 被相続人が経営していた会社の資材置き場となっており、子供が事業を継ぐこととなっている土地
 ❖ 幅 20m
 ❖ 奥行 20m
 ❖ 路線価 40万円
 ❖ 普通住宅地区(奥行価格補正率 1.00)

※単位:千円
路線価は国税庁HPをご参照下さい。http://www.rosenka.nta.go.jp/
上記Cについて:借地権割合を表します。記号はA~Gまであり、記号により借地権割合が異なります。

上記事例のように、この小規模宅地の特例を適用することによって、1億2,800万円が評価額から減額されることになります。ただし、この特例を受けるためには、期限内申告が必要ですのでご注意下さい。また上記以外で、貸付をしている宅地等も一定の要件のもと、当制度を適用することができます。

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相続税の税額控除

1-1 相続税の税額軽減・控除(~概要~)

 今回からの全4回で、相続税の税額軽減・控除についてお話させて頂きます。
相続税の税額計算においては、いくつかの税額軽減・税額控除の措置が設けられています。具体的には、①配偶者の税額軽減 ②未成年者控除 ③障害者控除 ④相次相続控除などが挙げられます。

 まず、上記①~④の税額軽減・控除制度が設けられている背景ですが、各々以下の点が挙げられます。
①配偶者の税額軽減:被相続人の財産形成への多大なる貢献と、相続人となる配偶者の相続後の生活を保障する必要性から設計された制度。

②未成年者控除:未成年が成人するまでに必要となる学費などの経済的負担を軽減するための制度。

③障害者控除:障害を有する方においても、経済的負担の増加を軽減するため、社会政策的配慮の観点から設けられた制度。

④相次相続控除:短期間に2度の相続が発生した場合に、その都度、相続財産に対して相続税が課税されると税負担が多大になるため、税負担を配慮する制度。

※その他にも、一定の条件の基、相続開始前3年以内の贈与に対する「贈与税額控除」や、「外国税額控除」も相続税の税額軽減・控除制度としてあります。

 本年1月より相続税の基礎控除の改正が行われ、相続税の税負担が増加しましたが、配偶者の税額軽減などの税額控除に係る特例をフルに活用出来れば相続税が課税されないことになるというケースが大半かと思います。

1-2 相続税の税額控除(~配偶者控除~)

 「配偶者は、相続の際に税金がかからない」という話を聞かれたことはないでしょうか。
それは、相続税法の中にある「配偶者控除」という規定があるため、相続税が課税されないことがあるためです。
 今回は、この配偶者控除について、事例を踏まえてご紹介したいと思います。

 では初めに、この制度が設けられた理由をご説明します。
 その理由は、以下の3点が考えられます。

 ❖ 配偶者の老後の生活の保障
 ❖ 被相続人の財産は夫婦で協力して築き上げたものであること
 ❖ 配偶者は同世代が多いため、短い期間で相続が起こると、2度も税金の負担がかかること

これらの理由から、配偶者にだけ、特別に税額軽減措置が設けられています。

具体的に相続財産が非課税となる金額は以下の通りです。

 ❖ 1億6,000万円
 ❖ 配偶者の法定相続分

この2つの内、いずれか多い方の金額までが非課税となる制度です。

 例えば、(1)配偶者の法定相続分が3億円であれば、3億円までが非課税となりますし、(2)法定相続分が1億円であったとしても、1億6,000万円までが非課税となります。
 従って(2)の場合、遺産分割協議で法定相続分である1億円を超えて相続したとしても、1億6,000万円までが非課税となるのです。

 話が複雑になってきましたので、具体的な事例を用いて、(2)の場合を再度ご説明します。

 被相続人Aが亡くなり、相続人は配偶者B、長男、次男で遺産が2億円だったとします。
 そして遺産分割協議により、法定相続分通り、Bが1億円(1/2)、長男(1/4)と次男(1/4)が5,000万円ずつ相続するとします。
 この場合、1億6,000万円と法定相続分1億円のいずれか大きい金額まで非課税となりますので、比較を行うと、1億6,000万円>1億円、となるため、Bは1億6,000万円まで財産を相続しても税金がかからないということになるのです。

 では、最後に留意点をいくつか述べておきます。

 そもそもこの「配偶者」には、内縁関係にある妻や愛人は含まれません。婚姻届を提出して、法的に正式の夫婦になった人だけが、配偶者控除の対象となります。

 また、この相続税の配偶者控除の制度は、確定申告が必要になります。仮に、遺産分割協議が難航し、期限までに配偶者が取得する遺産を正式に計算できない時は、相続税の申告期限までに所轄の税務署長宛に、遺産を分割できない理由を届け出れば、3年間はこの配偶者控除枠の適用を延長することができます。

 さらに、ご留意頂きたい点はこの相続税の配偶者控除ですが、とりあえず配偶者がたくさん相続しておけば相続税がかからないからといって、安易に適用することはおすすめできません。なぜなら、遺産を多額に相続した配偶者が、その後すぐに亡くなってしまった場合には、多額の相続税が発生してしまうためです。

 1回目の相続だけでなく、次の2回目の相続(2次相続)も見据えたトータルの相続税をシミュレーションし、慎重に1回目の遺産分割を決定することが必要です。場合によっては、1回目の相続の分け方次第で、数千万円といった相続税の違いが生じてきます。

 その他、ご不明点がありましたら弊所までご連絡下さい。

1-3  相続税の税額控除(~未成年者控除・障害者控除~)

 全4回の3回目である今回は「未成年者控除・障害者控除」について、(1)~(5)に分けて、ご紹介させて頂きます。

(1) 制度の背景
 ❖ 未成年者控除
     一般的に未成年者は、収入がないため、成人するまでの生活費や教育費等は、遺産から負担すべきものと考えられるため、その負担を配慮した制度

 ❖ 障害者控除
     被相続人の死亡後の生活保障等を守るため、また、障害をお持ちの場合には、一般的に生活費等の負担が大きいという特殊事情を配慮した制度

 以上のように、「未成年者控除・障害者控除」は、被相続人の死亡後の未成年者等の生活を守るために設けられていることをお分かり頂けたかと思います。

(2) 適用要件  上記制度には、適用要件があり、全ての要件を満たすことで税額控除を受けることができます。また、この制度の適用要件は、一部を除き、非常に似ておりますので一緒にご説明させて頂きます。

未成年者控除 障害者控除
相続又は遺贈により財産を取得した者
原則、日本国内に居住している者
法定相続人
20歳未満の者 障害者

 表の通り、両制度とも①~③までは、ほぼ同じ要件となっていますが、④については、制度により、要件が異なっていますので注意が必要です。

(3) 税額控除限度額

 ❖ 未成年者控除:100,000円×20歳に達するまでの年数(1年未満切上)

 ❖ 障害者控除:一般障害者の場合 100,000円×85歳に達するまでの年数(1年未満切上)
   特別障害者の場合 200,000円×85歳に達するまでの年数(1年未満切上)
   (注) 一般障害者は、障害者手帳3級~6級に該当する方等が対象。
      特別障害者は、障害者手帳1級、2級に該当する方等が対象。

(国税庁HP参照 )
http://www.nta.go.jp/shiraberu/zeiho-kaishaku/tsutatsu/kihon/sisan/sozoku2/02/08.htm

(4) 具体例
「未成年者控除、障害者控除」の控除限度額について、具体例を用いて算出していきたいと思います。

 ❖ 前提条件
    ①被相続人(父):平成27年12月死亡
    ②子の年齢:15歳6ヶ月
    ③相続関係図

 ❖ 未成年者控除の計算方法
   100,000円×5年(注)=500,000円
    (注) 20歳-15歳6ヶ月=4年6ヶ月 → 5年
 ❖ 障害者控除の計算方法(子が特別障害者に該当する場合)
   200,000×70年(注)=1,400,000円
   (注)85歳-15歳6ヶ月=69年6ヶ月 → 70年

(5) まとめ
 この2つの制度は、未成年者や障害をお持ちの方の将来の生活資金を確保するために設けられた制度です。またこの制度は、未成年者・障害者に該当する本人だけでなく、本人で控除することができなかった部分については、扶養義務者(配偶者や直系血族等)から控除できますので、もし利用する場面があれば活用頂ければと思います。

1-4 相続税の税額控除(~相次相続控除~)

 全4回シリーズの最終回である、今回は、相次相続控除についてお話させて頂きます。
 相次相続控除とは、第2次相続発生時の被相続人が、第1次相続において相続人であり、かつ第1次相続から第2次相続までの期間が10年以内である場合に、相続税額の控除を受けられるものです。この控除は、短期間に相次いで相続が発生した場合において、何度も相続税が課税されることになるため、税負担を軽減するためのものです。

 では、具体的な事例や計算方法について、ご紹介させて頂きます。
(1)税額控除の対象になるケース
(前提条件)
 ❖ 父:平成22年中に死亡
 ❖ 被相続人A:平成27年中に死亡

    被相続人A(以下、A)は、父が死亡した時において、相続人に該当し、かつ、父の死亡時から10年以内であるため、税額控除の対象となります。

(2)税額控除額

A:今回の被相続人が第1次相続の際に課せられた相続税額
B:被相続人が第1次相続の際に取得した純資産価額(注)
C:今回の相続により財産を取得した全ての人の純資産価額(注)の合計額
D:今回の相続で相続人が取得した純資産価額(注)
E:第1次相続から今回の相続までの期間(1年未満の期間は切捨)

(注)純資産価額

(具体例)
 前提条件

 ❖ 相続関係は上記(1)と同様とします。
 ❖ 第1次相続時の納付税額等(平成22年父、死亡時) 

内容金額
相続財産 6.5億円
非課税財産▲0.5億円
債務控除▲1億円
純資産価額 5億円
納付した相続税額 1億円

 ❖ 今回の相続(平成27年被相続人A、死亡時) 

内容金額
今回の相続により財産を取得した純資産価額2億円
今回の相続により、子C財産を取得した純資産価額1億円

 ❖ 父から被相続人Aが死亡までの期間が5年
以上の数値を用いて、控除額を算出しますと・・・

=1,250万円が税額控除額となります。

 最初でも述べさせて頂いた通り、短期間に相続が発生した場合に税負担が重くならないように設けられた制度です。
 全4回でご紹介させて頂いた税額控除制度は、通常よりも税負担を軽減されるものですが、生前に贈与等で相続対策を行うことで、より大きな税負担の軽減になりますので、計画的な相続対策をして頂ければと思います。

2-1 相続税が課税されないケースと課税されるケース(~概要~)

 今回から全4回でケース別に相続税が課税される事例をさせて頂きます。

 平成27年度税制大綱により、相続税について大幅に改正がありました。これにより、相続税の申告をしなければならない方が、4%から7%に増加すると言われております。

*当ブログ:総まとめ(~今年を振り返って~)をご参照下さい。

 第1回目の今回は、相続税が課税されない一般的なケースについてお話させて頂きます。
(前提条件)

 ❖ 相続関係図

 ❖ 財産:3,000万円
 上記のケースでは、相続財産が基礎控除額(3,000万円+600万円×2人=4,200万円)を下回るため、相続税が課税されません。

2-2 相続税が課税されないケースと課税されるケース(~小規模宅地等の特例~)

 前回は相続税が課税されない一般的なケースについてお話させていただきました。第2回の今回は、特例制度を利用した場合の相続税が課税されないケースについて、お話させて頂きます。

 相続税の特例制度でよく利用されるものとして、「小規模宅地等の特例」が挙げられます。
 この「小規模宅地等の特例」は、居住用不動産等の宅地等を一定の面積まで評価額を減額させる効果があります。

簡単な具体例をご紹介させて頂きます。 (前提条件)
 ❖ 相続関係図

 ❖ 特定居住用宅地等(相続財産):評価額 1億円
 ❖ その他の相続財産:1,000万円
 ❖ 面積:200㎡
 ❖ 被相続人と同居していた親族

 上記のような場合、一定の要件のもと、居住用宅地等の評価額は、限度面積である330㎡まで80%減額することができます。減額できる金額とその算出根拠は、以下です。
 特定居住用宅地等の評価額(1億円)× (200㎡)/(200㎡)  ×80%=8,000万円
※今回のケースでは、宅地等の面積(200㎡)が限度面積(330㎡)に満たないため、80%丸々減額できることになります。

すなわち、小規模宅地等の特例制度を利用した結果、居住用宅地等の相続税評価額は、1億円-8,000万円 = 2,000万円となります。

そして、最終的な相続税の課税対象は、その他の相続財産(1,000万円)と合せて、合計3,000万円となります。
 よってこの場合、相続税の基礎控除額が4,200万円(3,000万円+法定相続人(2人)×600万円)があるため、相続税が課税されないことになります。

(国税庁HP参照)https://www.nta.go.jp/taxanswer/sozoku/4124.htm

 居住用の宅地等以外の宅地等でも、「小規模宅地等の特例」は一定の条件の基、利用可能ですので、一度保有財産の確認をしてみてはいかがでしょうか。

2-3 相続税が課税されないケースと課税されるケース(~生命保険の活用~)

 前回は、小規模宅地等の特例を適用したケースについてお話させて頂きました。第3回の今回は、生命保険を利用した場合の、相続税が課税されないケースについてお話させて頂きます。

 被相続人の死亡により、相続人等が生命保険金を受け取った場合には、相続又は遺贈により取得した財産とみなされ、相続税の課税対象になります。
 ただし、受け取った生命保険金には非課税枠(500万円×法定相続人)が設けられていることから、保有資産を生命保険金にすることで、節税することが可能になります。

 以下極端な例にはなりますが、具体例をご紹介させて頂きます。
(前提条件)

 ❖ 相続関係図

 ❖ 総資産 5,000万円(生命保険の利用なし)の場合
      ①課税財産の合計         5,000万円
      ②基礎控除額          △4,200万円 (3,000万円+600万円×2人)
      ③差引課税価格           800万円
      ④相続税額           80万円

 ❖ 総資産 5,000万円(総資産のうち、2,000万円は生命保険金)の場合
      ①生命保険金以外の課税財産の合計 3,000万円
      ②生命保険金           2,000万円
      ③生命保険金の非課税金額    △1,000万円 (500万円×2人)
      ④基礎控除額          △4,200万円 (3,000万円+600万円×2人)
      ⑤差引課税価格             0万円
      ⑥相続税額               0万円

以上の具体例では、生命保険を活用することで、生命保険金以外の課税財産が減少し、、結果として相続税を0円とすることができました。このように生命保険で相続税0円となるのは極端な例かもしれませんが、生命保険の活用により相続税額を少なくすることができ、一般的にもよく活用される方法となります。

また、生命保険は遺産分割にも活用できるというメリットもありますので、相続税の節税や遺産分割をどうするかなどお悩みの場合は、一度生命保険の活用をご検討されてはいかがかと思います。

2-4 相続税が課税されないケースと課税されるケース(~障害者控除・未成年者控除~)

前回は、生命保険を利用した場合に、相続税が課税されないケースについてお話させて頂きました。第4回の今回は、障害者控除等を交えたケースについてお話させて頂きます。

(前提条件)
 ❖ 相続関係図

 ❖ 相続財産:6,000万円
     ①課税財産の合計     6,000万円
     ②基礎控除額      △4,200万円(3,000万円+600万円×2人)
     ③差引課税価格      1,800万円
     ④相続税額           90万円(概算額)

 上記の具体例では、90万円の相続税が発生することになります。しかし、法定相続人に障害者の方がいる場合には、障害者控除を受けることができます。
 障害者控除の計算方法は、以下の通りです。

(85歳-相続開始時の年齢)×10万円(注)
(注)特別障害者の場合は、20万円

 上記の例で、子Aが障害者である場合「(85歳-41歳)×10万円=440万円 」を相続税額から控除されるため、相続税額は0円となります。

 また、法定相続人に未成年者の方がいる場合には、未成年者控除を適用することも可能です。未成年者控除についても、障害者控除と似た算式になっており、年齢や控除額が異なる点に注意が必要です。
 未成年者控除の計算方法は、以下の通りです。

(20歳-相続開始時の年齢)×10万円
 このように法定相続人の事情によっても相続税額が異なってきますので、現在の状況等を一度、把握してみてはいかがでしょうか。